脳卒中を知る

脳卒中のリハビリテーション

患者さんの状態に応じて理学療法・作業療法・言語聴覚療法を行っていきます。

脳卒中後のリハビリテーションとは

脳卒中による身体症状は意識障害、認知症、などの認知機能障害や、失語症、失認、失行などの高次脳機能障害、抑うつなど精神症状、嚥下障害、眼球運動障害、構音障害などの脳神経障害、片麻痺、運動失調などの運動障害、さらにしびれ、痛みなどの感覚障害など多種多様です。
そのため、発症早期からリハビリテーションを開始することが推奨されています。リハビリテーションの内容は障害によって異なるため、患者さんの状態に応じて理学療法・作業療法・言語聴覚療法を行っていきます。

急性期のリハビリテーションの特徴

治療を行いながらリハビリテーションを開始することが多く、全身状態を観察しながら、ベッド上にて実施します。
リハビリテーションの進捗具合は、発症初期の神経症状の程度や個人差がありますが、血圧管理など全身状態に配慮しながら早期より車椅子移乗や歩行訓練、日常生活動作訓練、摂食・嚥下・言語訓練などを行っていきます。

回復期のリハビリテーションの特徴

症状や全身状態が安定した患者に対して食事、着衣動作、歩行、コミュニケーションなどの日常生活に必要な動作の自立を目標として、集中的にリハビリテーションを実施する時期です。自宅に帰るために実用的な練習を主に行っていきます。

維持期のリハビリテーションの特徴

生活期と呼ばれ、急性期・回復期で獲得した機能や日常生活動作能力、社会生活の維持・向上・継続を目的に提供されます。様々な医療・介護サービスも活用し、家族も含めた多面的なかかわりが重要とされています。

リハビリは1日どれくらい行えばいいですか?
年齢や症状などにより個人差はありますが、1日を通して軽い疲労感を目安に運動を行ってください。
まずは、病院で指導された内容を実施してみてください。

・歩ける方の場合
ウォーキングを中心に行うことをお勧めします。まずは、自分自身が1日にどのぐらい歩いているかを万歩計で測定し、プラス500から1000歩程度を目標として実施してみてください。

・歩くのが大変な場合
椅子からの立ち上がり練習を行うことをお勧めします。まずは、5回ぐらいから開始し、10回程度を目標として実施してみてください。

※痛みがある場合や体調が優れない場合はすぐに休んでください。

※かかりつけの医師に運動について事前に相談してください。

・運動と併用して認知機能練習を実施することを推奨します。
近隣の書籍販売店に複数の認知機能向上を目的とした雑誌がありますので、参照してみてください。また、身の回りの物品で行いたい方には、新聞やインターネットに記載されている間違い探しやクロスワードを行うことをおすすめします。

※高次脳機能障害(認知機能低下等)を認めている方は個人差がありますので、退院時に指導された練習内容、ご自身で取り組める課題を中心に行ってみてください。

家族はどの程度リハビリを手伝ってもいいですか?できるリハビリはありますか?
ご家族が過剰に手伝ってしまうことに伴い、ご本人の身体能力低下を助長させてしまうことがあります。
そのため、着替えや、食事場面、入浴など手伝う場面は数多くあると思いますが、ご自身でできることは見守りながら遂行することが立派なリハビリテーションです。また、入院中に実施していた運動をご家族と一緒にやるのも良い方法だと思われます。
リハビリ病院を退院してからも追加でリハビリを受けることはできますか?
リハビリテーションを実施できる日数は病気ごとに決められているのが現状です。
まずは、退院する際に指導された運動を継続してみてください。
また、役所や担当ケアマネージャーへ相談することで、地域の運動教室や、訪問リハビリテーションなど活用できる制度を紹介してくれると思われます。